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皆さんこんにちは!
株式会社前川農場、更新担当の中西です。
牧場の朝に漂う白い息
11月、朝霜がうっすらと牧草地を覆い、牛たちの鼻先から白い息が立ちのぼる季節になりました。
一年を通して最も気温差の大きい時期。
この「寒暖差」との付き合い方が、牧場経営にとって非常に重要になります。
今回は、11月における牛たちの体調管理と飼料調整のポイントについて、現場の視点から深く掘り下げます。
11月は昼夜の気温差が10℃以上になる日もあり、特に朝晩の冷え込みが強まります。
この時期、牛の体は「被毛を厚くし」「体温調整を活発に行う」準備段階に入ります。
ただし、気温の変化に追いつけない若齢牛や分娩直後の母牛は、免疫力が低下しやすくなります。
特に注意すべき症状は次の通りです👇
咳や鼻水などの呼吸器症状(寒暖差ストレス)
食欲低下・反芻回数減少(代謝バランスの乱れ)
被毛のごわつき・ツヤ低下(栄養不足サイン)
これらを見逃さないためには、「朝・夕の観察」が欠かせません。
牛の行動や表情、糞の状態など、小さな変化に気づくことが健康管理の第一歩です。👀
寒さが増すにつれて、牛のエネルギー消費は自然と増加します。
つまり、同じ量の飼料を与えても、体温維持に使われてしまい太りにくくなるのです。
そこでこの時期は、次のような飼料調整がポイントになります👇
| 飼料 | 調整方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 乾草(チモシー、オーチャード) | 量をやや増やす | 体内発熱・反芻促進 |
| 濃厚飼料(とうもろこし・ふすま等) | エネルギー密度を上げる | 体重減少防止 |
| ビタミンA・E | サプリ追加 | 皮膚・免疫強化 |
| ミネラルブロック | 舎内に常備 | 微量元素補給 |
また、水分摂取も軽視できません。
寒いと水を飲まなくなる牛もいますが、水分不足は飼料の消化不良を招きます。
給水器の凍結を防ぎ、常温水(10〜15℃程度)を確保しましょう。💧
11月は風が強く、日中と夜間で湿度が変わりやすい。
そのため「通気性と保温性のバランス」が重要です。
シャッターや風除けシートを活用し、北風を防ぐ
ただし締め切りすぎず、空気循環を維持
敷料(オガ粉・ワラ)を厚めに敷き、床冷え防止
とくに子牛舎では、風が直接当たらない場所を確保し、乾燥しすぎないよう湿度管理を行うことが大切です。
この時期は被毛が厚くなり、体格の変化が見えにくくなります。
そのため、**触診とスコア評価(BCS:ボディコンディションスコア)**を定期的に行いましょう。
肋骨の浮き具合
腰骨・尾根の出方
背中のライン
これらを3段階評価(痩せ・適正・肥満)で管理し、給餌量を微調整します。
11月は牛にとって「冬を迎える準備月」。
気温の変化に合わせて、環境・飼料・観察のすべてを見直すことが、健康な肥育と肉質の向上につながります。
朝霜を踏みながら牛舎の扉を開くと、温かな吐息と穏やかな眼差しが迎えてくれる——
そんな牧場の日常を守るための努力が、この季節にも息づいています。
株式会社前川農場では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
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