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第24回牧場雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社前川農場、更新担当の中西です。

 

冬の入口、牧場の“衛生管理”

 

11月後半、朝霜が固まり、牛舎内の空気が張り詰めてくる頃。
冬は病気の季節でもあります。
この時期の衛生・感染症対策こそが、翌年の健康と繁殖率を決めます。


1. ウイルス・細菌の動きが活発化

低温・乾燥環境では、インフルエンザやパラインフルエンザなどのウイルスが活発になります。
牛も同様で、呼吸器感染症や下痢症が発生しやすくなります。

予防の基本は以下の3つです。

  • 牛舎の換気と清掃

  • 給水・飼槽の洗浄

  • ワクチンスケジュールの遵守

特に分娩予定の母牛や子牛舎では、免疫の弱い個体を分離管理することが大切です。


2. 器具・人・車両の消毒

外部からのウイルス持ち込みを防ぐには、出入口の消毒徹底が必須です。

  • 長靴・手袋の次亜塩素酸消毒

  • 給餌車・運搬トラックのタイヤ洗浄

  • 外部業者の立入制限

特に11月〜12月は繁殖期・出荷期が重なるため、出入りの多い時期です。
「人が最大の感染経路」という意識で対応することが、牧場防疫の基本姿勢です。


3. 敷料交換と乾燥管理

湿った敷料は細菌の温床になります。
寒い季節こそ“温かくて乾いている床”を作ることが重要です。

  • 敷料は週1交換+中間で部分補充

  • 床下に乾燥剤(消石灰)を撒く

  • 天気の良い日は敷料を天日干し

オガ粉やワラを使用する場合は、発酵臭が出ていないか確認し、カビ臭があればすぐ交換します。


4. 牛舎スタッフの健康管理も同じくらい大切

牧場経営は“人の健康”にかかっています。
風邪や発熱で作業が滞れば、給餌リズムが崩れ、牛の健康にも影響します。
防寒着の乾燥、十分な休息、手洗いの徹底——基本が牧場を守ります。


5. まとめ

11月の衛生管理は、冬を乗り切るための「土台づくり」。
感染症を防ぎ、牛たちの免疫を高めることが、結果的に肥育効率・繁殖成績・肉質の安定に直結します。
牧場の冬支度は、牛と人、両方の健康管理から始まります。

 


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